【記憶に残るNBA_Vol.3】ゴールデンステイトウォリアーズの黄金期<5年連続ファイナル出場>を振り返る

【記憶に残るNBA】
(引用元:sportingnews.com)

【記憶に残るNBA】チーム編の初回は、2010年代後半のゴールデンステイト・ウォリアーズです。

1974-75シーズンのNBAファイナル優勝後、長らく低迷を続けていたウォリアーズ。2000年代中頃から私もファンになったのですが、当時は完全なドアマットチームでした。

その後チーム改革を経て、2010年代後半には強豪チームへとのし上がっていきます。

昨シーズンまで5年に渡り続いた王朝は、しかしながら、2019-20シーズンのプレイオフ進出を逃すことで、一旦の終わりを迎えるといっていいでしょう。

今回はその王朝時代の輝かしい実績を、映像を交えつつ、記録と記憶の両面から振り返ってみます。

黄金期を築くまでのウォリアーズ(~2014)

2000年代は10年間でプレイオフ進出わずかに1回と、強豪ひしめくウェスタンカンファレンスで苦汁をなめ続けていたウォリアーズですが、如何にして黄金期を築けたか、その要因を3つの観点から分析していきます。

①生え抜きスター選手の獲得

ステフィン・カリー(2009年)、クレイ・トンプソン(2011年)、ドレイモンド・グリーン(2012年)と、4年間で3人のオールスタープレイヤーをドラフトで獲得できたことが何よりの要因でしょう。特にカリー・トンプソンはスプラッシュブラザーズと呼ばれ、チームのスタイルを築き、チームの顔となりました。

②スター選手のトレード

2011年には生え抜きのエース選手であったモンタ・エリスをトレードで放出します。これによりカリーを軸としたチーム作りが加速していくことになりますが、、当時は衝撃でしたし賛否両論といった印象でした。

一方で2013年にはアンドレ・イグダーラを獲得。76ersのエースとして名を馳せたスタープレイヤーを、移籍2年目以降は6thマンに転向させ、ファイナルMVPを取るなどチームに欠かせない存在となりました。

③フロント・コーチ陣の整備

2012年、アシスタントGMだったボブ・マイヤーズがGMに就任すると、いきなりドレイモンド・グリーンらをドラフトで獲得。その後HC歴のないスティーブ・カーを2014年にHCとして招聘。結果的に2014-15シーズンでNBA最優秀役員賞を獲得するに至っています。

チームが再建を目指し、チャンピオンリングを獲得するまでの軌跡がまとめられた動画です。

黄金期のウォリアーズ(2014~2019)

ここからは5年間を1年ずつ、簡単に振り返っていきます。

2014-15シーズン

スティーブ・カー就任初年度、開幕から好調を維持すると、シーズン67勝15敗でいきなりフランチャイズレコードを達成しました。

プレイオフも順調に勝ち抜き、ファイナルではレブロン率いるキャブスと対戦。第4戦からは6thマンのイグダーラをスタメン起用したことも追い風となり、1975年ぶりにNBAチャンピオンに輝きました。

なおイグダーラはレブロンを徹底したマークで抑え込み、ファイナルMVPを獲得しました。

2015-16シーズン

連覇を目指したシーズン、カーHCが病気により戦線離脱するも、ルーク・ウォルトンACによる快進撃が続きます。

開幕24連勝、前シーズンからの28連勝(200年以降では最多)、そしてホームゲーム54連勝と、NBAレコードを次々と塗り替えていきます。

このシーズンホームゲームで無敗だったスパーズに勝利し、ブルズのNBA記録72勝に並ぶと、最終戦でグリズリーズにも勝利し、シーズン73勝9敗というNBA記録を樹立しました。

(シーズンで連敗無し、同一対戦相手に2敗以上しなかったのも史上初の快挙でした)

プレイオフではカンファレンスファイナルで、サンダーに王手をかけられますが、そこから3連勝でファイナルに進出。2年連続でキャブスと対戦しました。

しかしここでは逆に王手をかけるもグリーンの出場停止、ボーガットの負傷退場などがひびき、3連敗でチャンピオンを逃すことになりました。

2016-17シーズン

シーズンオフにケビン・デュラントを獲得したウォリアーズはスター軍団としてチャンピオンへの挑戦を再開します。

円熟味が出てきたチームにデュラントというスコアラーが加わったことにより更に強さを増したチームは、58試合目でプレイオフ進出を決めるなど、シーズン67勝15敗で、史上初の3年連続65勝以上を達成します。

プレイオフではウェスタンカンファレンスで3チームを全スイープという離れ業をやってのけます。これは2001年のレイカーズ以来、プレイオフが7試合制になってからは初の記録でした。

ファイナルでは3年連続でキャブスと対戦(3年連続同一カードは史上初)します。スイープとは行かなかったものの、圧倒的な強さ(4-1)でキャブスを下し優勝。

プレイオフ合計16勝1敗はNBA史上最高勝率(2001年のレイカーズは15勝1敗)であり、ファイナル第4戦で敗れるまでのプレイオフ15連勝は、NBAに留まらず北米4大スポーツの最長記録となりました。

2017-18シーズン

連覇を目指したシーズンは、途中からカリーをはじめオールスター組にケガが続出し、58勝24敗でロケッツに次いでウェスト2位でプレイオフ進出することになりました。

ロケッツとのカンファレンスファイナルではイグダーラの怪我もあり2勝3敗と王手をかけられるのですが、第6戦でクリス・ポールが負傷したこともあり、6,7戦を連取し史上初4年連続同一カードとなるキャブスとのファイナルに駒を進めました。

ファイナルではレブロンに1試合53点取られたりもしましたが、結果はスイープ。見事連覇を達成しました。

2018-19シーズン

NBA史上6チーム目となるスリーピートを目指したシーズン。

チェイス・センターへの本拠地移設が決まっていたため、慣れ親しんだオラクル・アリーナのラストシーズンということもあり、まさに集大成の一年でした。

アキレス腱断裂からの復帰を目指すカズンズと契約し、オールスター出場経験者5人という最強ロースターが完成。

昨年に引き続き主力に故障があり、1月にカズンズが復帰して以降は調子を取り戻し、57勝25敗でウェスト1位でプレイオフ進出を決めます。

昨年に引き続き因縁の相手ロケッツと激突したカンファレンスセミファイナル、第5戦にデュラントが負傷というアクシデントに見舞われますが、スプラッシュブラザーズの活躍でロケッツに勝利します。

カンファレンスファイナルでは、デュラント抜きでブレイザーズをスイープし、セルティックス以来5年連続となるファイナル進出を決めます。

ファイナルでは初出場となるラプターズと対戦、初めて国外(トロント)で行われるということもあり注目されたファイナルでしたが、ここにきて5年連続ファイナル出場による勤続疲労が顕在化します。

1勝3敗と王手をかけられ、負傷中のデュラントを復帰させた第5戦、2Q途中でデュラントはアキレス腱断裂という大怪我でシーズンアウトとなります。

第5戦は辛くも1点差で勝利したウォリアーズですが、オラクル・アリーナでの最終戦となる第6戦、今度はトンプソンが右膝前十字靭帯断裂で離脱となってしまいます。

結果カワイ・レナード率いるラプターズに初のNBAチャンピオンの座を許し、スリーピートとはなりませんでした。

5シーズンの軌跡まとめ

この5年間で、ウォリアーズは様々なNBA記録を樹立し(または塗り替え)ました。

ウォリアーズの達成したNBA記録

◆開幕24連勝
◆28連勝
◆ホームゲーム54連勝
◆シーズン73勝9敗
◆プレイオフ15連勝
◆プレイオフ最高勝率(16勝1敗)
◆プレイオフ含めたシーズン最多勝利(88勝)

一方で、過去6チームしか達成していないスリーピート(3連覇)は達成できず、という結果でした。もちろん上記の通り様々な記録はあるのですが、タイトルが記録ではなく【記憶に残るNBA】としているのはこのためです。

与えた影響

ここからはウォリアーズが他チームやNBAに与えた影響を2点ほど紹介します。

3ポイントシュート最盛時代

カリーとカーHCはNBAのトレンドを変えたといわれています。カリーはリバウンダーがいない速攻時や3Pラインから1m以上離れている場面でも躊躇なく3Pを打ち、高確率で決めてきます。

ひと昔前では考えられなかった3P多投時代が訪れていますが、この流れを作ったのは、間違いなくカリーであり、ウォリアーズでしょう。

スモールラインナップ

5年間のウォリアーズは、3Pを初め爆発力のあるオフェンスも勿論でしたが、強固なディフェンスもまた大きな特徴でした。

特に、明確なセンタープレイヤーをおかず、オールスイッチディフェンスによるスモールラインナップは相手にとって脅威でした。
ドレイモンド・グリーンやイグダーラという高いバスケットIQとディフェンス力があってはじめて成り立つこのシステムはデスラインナップと呼ばれ、他チームから恐れられるだけでなく、ヒューストン・ロケッツを初めスモール・ラインナップを取り入れるチームも出てきました。

その後のウォリアーズは

デュラントやイグダーラのトレード、リビングストンの引退、そしてトンプソンの怪我により、2019-20シーズンのウォリアーズはカンファレンス最下位と、前年度までが嘘のような低迷に陥りました。

そして2020-21シーズンも、再びトンプソンの怪我によりコアメンバーが揃わず、プレーイントーナメントで2連敗。2年連続でプレイオフを逃す結果となりました。

しかし、その2年間で獲得したドラフト1順目組のワイズマン・クミンガ・ムーディ、成長著しい3年目のジョーダン・プール、そして帰ってきたイグダーラをロスターに加え、2021-22シーズンは王朝復活かと思われる素晴らしいシーズンを過ごしています。

今後のウォリアーズにも期待しましょう!

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